2011.09.06
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DIME編集部
N極とS極のある磁石をどんどん細分化し、原子核の周囲を回る電子まで行き着くと、その電子にもN極とS極がある。電子自体が極小の磁石で、この磁気の素を「電子のスピン」という。スピンの応用研究はスピントロニクスと呼ばれる最先端分野だが、九州工業大学の岸根順一郎准教授らが世界で初めて発見した現象は、電子デバイスを大きく進化させるかもしれない。
電子のスピンの磁力方向は、特定の結晶の中で「らせん」状態になることがあり、これに磁場をかけると「らせん」は周期的に乱れ、また周期的に並ぶ。岸根准教授らが発見したのは、この変化が電気抵抗を大きく増減させる性質。磁界の強さを変えて電気抵抗を増減させ、その変化にデータを記録させることができる。これを応用すれば、理論的には容量が無限のハードディスクを作ることも可能だ。
「現在のハードディスクは0と1という2種類の信号(1ビット)で情報を保存しますが、この理論では1マイクロメートルほどの結晶に4ビットや5ビットを越える情報の保存が可能なはずです」(岸根准教授)「らせん」には右巻き左巻きがあり、どちらか特定の巻き方向に安定して動作する結晶を持つ磁石を作れば、すぐにでも実用化は可能と岸根准教授は言う。
●ダイムの読み
磁界で変化する電気抵抗の増減は無限なので、理論上は無限の記憶容量を持つデバイスができるが、それをどう実際に使える装置にし、製品化していくかはこれからの課題だろう。この現象を応用して産学連携の研究開発も進めていくそうなので、近い将来には全く新しいタイプのコンピューターが出現するかもしれない。
取材・文/石田雅彦

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