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Mediaウォッチング エンタメ

2011.04.16

ネットで楽譜配信 世界で奏でられる希望の音

担当:
インディ藤田

sogawithpc.jpg 東日本大震災後、チャリティコンサートなどの支援活動をする音楽家は多いが、パソコンを使って作曲し、ネットで配信した指揮者がいる。"希望"と"祈り"の楽曲は、世界各地の音楽家によって演奏され始め、YouTube上では動画もアップされ、話題となっている。
"仕掛け人"の指揮者・曽我大介氏は、DIMEの読者でもあった人。90年代半ばには自らサイトを立ち上げていた、IT系に強い音楽家だ。

――この"Kibou"を作曲することになったきっかけは?

曽我:私は震災当時、仕事でルーマニアにいました。震災から1週間ほど経った頃、日本で数々のコンサートが、会場の損傷や節電による中止または自粛になり、このような未曾有の災害を前に音楽家としてどのような事ができるのか、考えました。そこで、世界中に住む音楽家の友人たちに手伝ってもらい、震災支援キャンペーンの軸となる音楽を作ろうと思いたったのです。2日半で作曲して、ネットで呼びかけを始めました。
 この"Kibou"は、2管編成のオーケストラで演奏される5分程度の短い曲です。楽譜はサイトからダウンロードできるようにしました。フルスコア(総譜)から各楽器のパート譜まで、すべてです。印刷も簡単にできます。

――ネット上での反響はいかがでしたか?

曽我:すぐさま友人たちが手を挙げて、実演に動いてくれました。一番反応が早かったのがルーマニア国立放送交響楽団です。3月4日に私も客演したばかりでしたが、3月20日に完成した曲を、25日には初演してくれました。


 以下は、リハーサルを終えてオーケストラメンバーがFacebookに書き込んだコメント。
Today was our first rehearsal with your composition "Kibou". That's a wonderful gesture and a wonderful music. Tomorrow we'll play it in concert. I want to let you know my soul is next to Japanese people and I am honored I can play it. I suffer"


曽我:初演の指揮は、偶然にもかつてウィーンで一緒に学んだ中国人指揮者の王進でした。演奏終了後に観客がスタンディングオペレーション。日本への思いを示してくれました。(この演奏はYouTubeでご覧いただけます
 この初演を聞いた演奏家からFacebook経由で依頼があり、室内楽バージョンを作成。4月12日に演奏されました。また、友人のブラジル人フルーティストの求めにより、フルートとピアノの曲"Inori"を作曲し、こちらは4月3日にサンパウロで演奏されました。(これもYouTubeで視聴可
 4月10日には、アメリカ・フィラデルフィア近郊のインマクラータ大学で"Kibou"のオーケストラバージョンが演奏されました。この時は、日本の自宅にいる私がSkype経由で現地の演奏会に生出演、メッセージを話すという希有な経験もしました。かつてヨーロッパで一緒に学んだ音楽家たちの協力のたまものですが、新曲の譜面をネットで配信、コンサートにネットで出演するなど20年前には想像もつかなかったことです。

――この曲のテーマは何ですか?

曽我:曲自体には、もちろん今回の震災での犠牲者への哀悼の意味も含まれていますが、未来をみすえ"Kibou"というタイトルにしました。英語で"bow"は虹の意味があるので、最終的には"Kibow"がよいのかもしれません。被災地域の民謡、岩手県~青森県の「南部牛追い歌」を用いてイントロとし、聖歌の展開を用いて作曲しました。東北地方には仕事で何度も訪れていたのです。

――今後、さらなる展開はあるのですか?
曽我:今回の曲の主題を使って、30分ほどの合唱入りレクイエムを作曲します。また、この曲に限らず、音楽家として東北や千葉の旭市などで被災された方を勇気づける演奏活動をできればと考えています。


 5月18日には、曽我氏が司会を務める「東日本大震災 復興支援チャリティコンサート」が東京・初台の東京オペラシティコンサートホールで行なわれる予定だ。


●"KIBOU"(hope)music project
http://www.soga.jp/kibou/

●曽我大介オフィシャルサイト
http://www.soga.jp/

macbook.jpg←移動中にもパソコンを使って作曲するために、鍵盤型のキーボードをUSB接続して使用するという。


WRITER PROFILE

インディ藤田

京都生まれのインド人!? サライ、ビーパルなどの編集を歴任し、飲食担当は15年以上。
見た目より味、コストフォーバリューを重視する。辻調理師専門学校「料理検定」1級。
また、大学で美学美術史学・西洋音楽史を専攻し、その方面にもちょいウルサイ。

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