2011.04.04
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担当:
インディ藤田
「ストレートコーヒーも、今は生産者やテロワール、素材の品質が重要なんです」
昨年、「ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ2010」で優勝した、鈴木 樹(みき)さんは笑顔で説明してくれた。DIMEの「休日研究所」もある小淵沢の「リゾナーレ」内に店を構える、「丸山珈琲」リゾナーレ店の店長だ。
最近、エスプレッソコーヒーを出す店やコーヒーショップが増えて、ソムリエ同様、バリスタという言葉も認知されてきた。その日本一に輝いた鈴木さんに、最近のコーヒートレンドを聞いた。このところ、世界的にコーヒー豆が高騰し、日本でもコーヒー自体の価格が上がってきている。今まであまりコーヒーを飲まなかったブラジルや中国などでの消費が高まったことが原因とも言われるが。
「それだけではなく、気候の変動でコーヒー豆の収穫が減ってきているんです。弊社の場合は、オーナーの丸山が直接産地に赴き、信頼関係を築いてきました。生産者とは家族のような付き合いです。例えば、託児所の建設支援など、良い珈琲豆を育てるための環境づくりのお手伝いをしてきました。おかげですばらしい品質のものを仕入れて、お客様に提供することができています」
丸山珈琲はコーヒー豆の品質の高さに定評があり、遠方から豆を取り寄せるコーヒーファンも多い。味にうるさいファンをうならせる理由は、こういうところにあったのか。


この丸山珈琲のカフェでは、昨年秋、デジタルダイムでも紹介した「フレンチプレス」を使って、コーヒーを提供している。フレンチプレスとは、写真のような円筒形の抽出容器。これ、紅茶用じゃないの? という人は多いだろう。しかし、これは本来コーヒーを抽出する道具だ。コーヒーの粉を入れて、お湯を注ぎ、フィルターの付いた蓋を押し下げていくだけと、構造はいたってシンプルだ。
「通常のドリップコーヒーのフィルターだと、コーヒー豆の油分とともに旨味成分まで取り除かれることがあります。フレンチプレスは金属フィルターを使っており、豆が持つ本来の味わいを損なうことなく抽出できるのです」
都内でミシュランの星をとったりする高級レストランは料理に関しては何かとこだわっているが、食後のコーヒーは普通のエスプレッソマシンでいれた一般的なコーヒーという場合が多い。世界に誇れる飲食店にするならば、コーヒーも素材やいれ方について考え直していただきたいものだ。
そのエスプレッソでも、新たな潮流があるらしい。
「エスプレッソもストレートコーヒーとしていれる傾向にあります。従来、イタリアのエスプレッソ用豆は数種類の豆をブレンドしていました。それを豆本来のもつキャラクターを味わってもらうために、1種類のみの品種でエスプレッソをいれるのです。すでにアメリカやヨーロッパでは"シングル・エスプレッソ"と呼ばれて定着しつつあります」
都内でも"シングル・エスプレッソ"を始めた店があるというので聞いてみると、何と以前デジタルダイムで紹介した「フレンチプレス」のお店ではないか。こんなところでつがってくるとは。
何かと落ち着かない春だが、旨いコーヒーでも飲んで一息ついていただきたい。

WRITER PROFILE
インディ藤田
京都生まれのインド人!? サライ、ビーパルなどの編集を歴任し、飲食担当は15年以上。
見た目より味、コストフォーバリューを重視する。辻調理師専門学校「料理検定」1級。
また、大学で美学美術史学・西洋音楽史を専攻し、その方面にもちょいウルサイ。