2011.08.18
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担当:
DIME編集部
国内のポイントサービス市場が拡大している。6月末に野村総合研究所から発表されたレポートによると、2009年度に日本で発行されたポイント・マイレージの発行総額は、最小の推計値で9061億円に達するという。この総額には、家電エコポイントが含まれておらず、家電エコポイント(2559億円相当)を含めると、1兆円を超す計算だ。2010年度以降も増加傾向は変わらず、2015年度には1兆円弱の水準となる見通し。
クレジットカードを含めたポイントサービスは、グレーゾーン金利の撤廃などもあり、付与率や還元率の引き下げが相次ぎ、サービスの"改悪"が続いていた印象が強かっただけに、やや意外な結果とも受け取れるが......。「デフレ経済で、消費者の所得が伸び悩んでいるため、確実に得ができるポイントサービスは、消費者のニーズがより強くなっているのでは」と、レポートを監修した野村総研上級コンサルタント・安岡寛道氏は語る。
家電量販店業界や航空会社のマイレージなど、ポイントを出しすぎていた業界、企業はポイントサービスを縮小する傾向にあるのは事実。しかし、「発行していたポイントをやめてしまうと、競合他社に顧客が奪われる可能性があります。競合他社との差別化をするためにも、ポイントサービスを重要視している企業は多いのです」(前出・安岡氏)
このようにポイント市場が拡大している背景には、消費者の"身の丈にあった"消費性向が関係しているようだが、さらに大きな要因がありそうだ。それは、ポイントサービスのIT化である。
●モバイルポイントが最強のマーケティングツールに
従来は、ポイントサービスと言えば、紙のカードにスタンプなどを押してもらうやり方がほとんどだったが、今では、データがケータイやスマホにメモリーとして内蔵されているケースも増えてきた。キャンペーンの告知なども、メールが一般的になりつつある。「ケータイのメールなどでお得情報を直接ユーザーに届けるということは、マーケティング上、非常に有意義なこと」(安岡氏)
安岡氏によると、すでにマクドナルドでは、様々なキャンペーン情報やクーポンを会員に送っているが、送る情報は会員の属性を考慮しているという。「週に何回も来るようなヘビーユーザーには過度な値引きをせずとも、より単価を上げてもらいやすいようなクーポンを送る、などといった工夫です。こういう手法を採ることで、採算を悪化させることなく、集客をアップさせることができます」(安岡氏)
カルチュア・コンビニエンス・クラブが発行する共通ポイント「Tポイント」でも、ユーザーに合ったマーケティングをすでに実施している。Tポイント加盟店で支払いをすると、発行されたレシートには、近所のTポイント加盟店や、お得なクーポンの情報が掲載される、といった具合だ。
こうした、ポイントサービスのIT化による利便性の向上やきめ細かいマーケティングが、市場が拡大している要因と言えるが、スマホの登場によって、その流れはさらに加速している。「6月に発表されたFacebookの『チェックインクーポン』は、GPS機能を使って、近くにいる潜在的なユーザーに対してクーポンを配布するという、非常に直接的かつ効果的な手法になりえるでしょう」(安岡氏)
例えば、飲食店を選ぶ時、ユーザーがいる位置から近い店が、ポイントや割引クーポンを発行すれば、その店に行く強力なインセンティブになる。また、ランチタイム後など、店側がヒマな時間を見計らって、大幅な割引となるクーポンをリアルタイムに発行すれば、店側の負担が少なくなる一方、客のメリットは大きくなる。「スマホの位置情報とポイントサービスの組み合わせで、従来では考えられなかったサービスが実現できる可能性があります。日本でも定着してきたフラッシュマーケティング『グルーポン』と組み合わせてもおもしろい」(安岡氏)
また、安岡氏はポイントの持つ別の特質にも注目している。「今回の震災で企業が様々な支援をしましたが、その中で、ポイントを義援金としたところがありました。現金よりも簡単に支援できるため、多くの人が参加したようです。こうした、リアルマネーよりも気軽に使える側面が、ポイントサービス市場をさらに拡大させるのではないでしょうか」
数年後には、スマホとポイントあるいは電子マネーの組み合わせは、リアルマネーと違った経済圏の主役となっているかもしれない。
※この特集に記載されている情報は7月6日時点のものです。
取材・文/松岡賢治

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