2012.02.03
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担当:
DIME編集部
灯台が放つ光を特殊なカメラで捉えると、その灯台の名称や位置情報、周囲の天候、寄港の可否などが瞬時にモニター上に映し出される――。そんな"可視光通信?を応用したプロジェクトが、家電メーカーなどで作る団体「可視光通信コンソーシアム」と海上保安庁などによって進行中だ。
可視光通信とは、人の目に見える光を利用した通信方法。光を高速で点滅させ、明るさの強弱を0と1のデジタル信号に置き換え、データを送信する。電波の場合、不特定多数の受信機が反応してしまうが、可視光通信なら、対応する受信機が光を受けた時のみ、情報を得られる。
ちなみに、光に情報を載せて送信する方法はすでに確立されており、身近なところではテレビやビデオのリモコンなどで応用されている。ただしリモコンの場合は目に見えない赤外線を使用していること、さらに通信可能な距離は5m前後と、範囲が非常に狭い。「可視光通信は、受信側が発信地の方向や位置を目で確認できることに大きな意味があります。LEDは視認性が高く、長距離通信も可能であるため、実際に夜の海上で行なった実験では灯台から発信した可視光通信を2kmも離れた海上の船での受信に成功しました」
と、可視光通信コンソーシアムの春山真一郎会長は話す。
すでに5700か所あると言われている日本全国の灯台や海上に浮かぶブイの大半はLED化が進んでいる。可視光通信を導入しやすい環境があるため、海上保安庁も同通信方法の導入に前向きという。
さらには、灯台と船舶の間の情報のやりとりだけでなく、船舶間で互いの船の大きさや進行方向、航行速度などの情報を瞬時にやりとりすることも可能で、これが実用化されれば船舶同士の衝突事故の防止にも効果を発揮しそうだ。
一方、このプロジェクトの実現には民間企業の協力が欠かせないという。可視光通信の受信機には、デジタルカメラやムービーが想定されているためだ。現時点では、カメラとモニター画面を複合させた双眼鏡といった、かなりコンパクトでシンプルな受信機を想定している。「これなら特殊な装備を持たないプレジャーボートの乗組員でも使えるため、受信した情報をもとに海上での安全な航行に役立てることができます」
課題はデータの通信速度だが、それも解決しつつある。「現時点では通信速度は約1kbps程度。決して速くはありませんが、テキスト情報の送受信なら問題はありません。潜在的には1Mbps以上までに速度を上げることは可能だと考えています。そうなれば、写真や動画情報など、より詳細な情報を伝達することが可能になるでしょう」
同プロジェクトはすでに海上保安庁による検証作業の段階まで進んでおり、2013年頃までには、技術的に実用化できるレベルに達するという。
●ダイムの読み
可視光通信は電波と違って発信側への規制がほとんどないため、手軽な通信手段として、事業者などに幅広く利用される可能性がある。例えば、小売店が店頭のライトに音声や動画による広告などの情報を載せて発信し、受信機能を備えたスマホなどで簡単に見ることができれば、新たな広告手段として発達するだろう。
取材・文/中沢雄二

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