2011.09.22
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担当:
ゴン川野
私は結構、ロボット好きだ。その証拠に初代AIBOも持っている。ロボットと言えば自律制御型、そして二足歩行型が理想である。そこまでは無理だが、TOSHIBA『Smarbo VC-RB100L』はかなりいい線いっている。ツインCPUに、38個のセンサーとカメラを搭載して、障害物を避けて自律走行して、最後は充電器に戻ってきて戻ってきて自動充電するのだ。自走可能時間は90分とかなり長い。AIBOのように赤いボールを追いかけるだけでなく、走行している間に掃除もしてくれるという優れモノなのだ。
掃除ロボットと言えば、アイロボット『ルンバ』が有名だ。アイロボット社は人工知能をコア技術に持つロボット企業で、『ルンバ537』もAIを搭載して、考えながら掃除をするような不規則な動きをするのだ。逆に言えば動きに無駄が多い。10月から発売される『ルンバ700』シリーズには「高速応答プロセス iAdapt」を搭載した。その内容は数10のセンサーで部屋の情報を詳しく収集。人工知能「AWARE」が毎秒60回以上の状況判断。40以上の行動パターンから最適な動作を選択・実行するという。「AWARE」は同じ所を平均4回通ってしっかり掃除するように『ルンバ』を動かす。当然、それだけ時間がかかる。これに対して『Smarbo』は同じ所を2度通らないことを目標に「ナビゲーションテクノロジー」を搭載している。室内の通過したルートを記憶しながら掃除するため、6畳間を約6分で掃除できるのだ。『ルンバ』が20〜30分かかって掃除をするの比べてスピーディでインテリジェントである。さらに家具や壁にもぶつからない。
誰もが疑問に思うことは、ホントに部屋がきれいになるのということだろう。ロボットの形が丸いので当然、角には入り込めない。また壁にぶつからないなら、壁際のホコリはどうなるのか? そんな疑問を検証してみたい。本体は直径35.5cmと割と大ぶりだが、高さが9.3cmしかないため、大きいという印象はなかった。重さ3.7kgは見た目より重い。持ち上げることはあまりないと思うが注意が必要だ。大きめのパッケージに充電器と本体が収められていた。ちなみにこれはまだ完全な製品版ではなく東芝から取材用に借用したものだ。

最初にやることは充電器をコンセントに差し込んでスマーボのメインスイッチを入れてから充電することだ。初期充電は120分かかる。充電中はデジタル表示部が左右に点滅、充電完了時にはFULLと表示される。
拙宅はAIBOにやさしい環境実現のため、段差なしのオールフローリングのアパートを借りた。偶然、掃除ロボットにも最適の環境となっている。ちなみにスマーボの裏側はこうなっている。手前に回転ブラシがあり、その上の左右に車輪があり、そのすぐ上にサイドブラシが左右独立してある。一番上に前輪があり、3輪走行であることが分かる。後退はできない。

付属のフローリング用モッププレートを装着するとこうなる。ブラシで吸引できなかったゴミをモップがキャッチする仕組みだ。

これが付属のリモコン。本体のタッチパネルでも操作できるが、運転中はリモコンがないと不便。というかいつでもリモコンで操作した方が簡単である。リモコンを使ってタイマー予約で掃除ロボを動かしたり、デイリー機能を使って、毎日決まった時間に掃除をさせることもできる。土日は動かさないウイークデイ予約、または土日だけ動かせるウイークエンド予約などが出来るともっと便利だと思った。

説明書を読むと、掃除をする前に「部屋を整える」という項目がある。実は「俺、掃除とか面倒だから、ロボットにやらせよ〜」的な性格の人には掃除ロボは向いていない。なぜなら、掃除ロボには数々の苦手があるからだ。
まず、電源ケーブル、スピーカーケーブル、LANケーブルなどあらゆるケーブル類はブラシに巻き込んでそのまま進もうとするので、掃除ロボが止まったり、巻き込まれたケーブルに接続してある機器が倒れたりする。これに類似したひも、ベルト、ビニール袋なども危険だ。また、タオル、衣類、新聞紙、メモなどの薄い紙や布はブラシにからまって掃除ロボがスタックする原因となる。これとは逆に毛足が2cm以上ある絨毯や布団、毛布などがあると前進困難になる。また1.5cm以上の段差はれない。乗り越えらさらに、掃除ロボのセンサーは万能ではないので、ぶつかると困る障子やふすまなどのキズ付きやすい建具、置物、屏風、花瓶、ガラス製品、鏡などはバーチャルガードを使って保護する必要がある。
バーチャルガードとは、赤外線を出すことで仮想のフェンスを作り、掃除ロボが近付かないようにする機器で、2個付属している。電源は単1電池2本で掃除終了後は電源を切る必要がある。実際に使ってみると設置したバーチャルガードより20〜30cm手前から、避けるようになるため使いこなしが難しい。また、いちいち電源を切るのも面倒である。出来ればガードなして掃除ロボをコントロールする方法を考えた方がいいと思った。

それから説明書によれば、本体が入れないような奥まった場所や狭い場所、部屋の隅など、本体のブラシが届かないところは掃除できないそうだ。後は条件によってはゴミが残る場合がある、小さくてかたいもの(小石や鳥のえさなど)を走行中に飛ばすおそれもあるという。段差や障害物にあたって5分以上動けない場合は、そこで運転停止するシステムになっている。
ガラス瓶やケーブル類をかたづけて、いよいよ掃除ロボを動かしてみよう。まず、「ターボ」、「かべぎわ」が選択できる。ターボを選択すると静止時で61.5dB、走行時の駆動音は63dBになる。これは掃除ロボの真上1mで測定した数値である。拙宅のゴミセンサー付きの掃除機は、弱運転で68.1dB とターボより全然、うるさい。掃除ロボが通常モードで自動運転すると、静止時55.3dB、走行時57.5dBの音がでる。これは一般の掃除機に比べれば、かなり静かであり、となりの部屋で自動運転させても気にならない程度だ。スマーボは公式スペックによれば運転音約52dBである。ルンバの数値は未公開だが、Webなどで検索してみると58dBぐらいらしい。また動画を見ると結構、甲高い音がするが、これに比べてスマーボの駆動音は低い音だと思う。
次のかべぎわだが、これは通常は避けてしまう壁などの障害物にやさしくぶつかりながら、かべぎわまで掃除するモードである。実際に使ってみると、家具などにコツコツぶつかり、さらに掃除時間も長くなる。通常の自動運転ではかべぎわギリギリを移動するが、サイドブラシでその部分のゴミを集めてくれる。つまり、私的にはかべぎわは必要ナシ、OFFで使う方がいいと思う。もし使うなら、タイマー予約で留守中に掃除させる時かな。
さて、運転モード自体も4種類ある。自動、スポット、念入り、手動である。掃除ロボをリモコン操作できる手動を除けば自動運転である。手動を使うことはほとんどないと思う。手動で動かすなら普通の掃除機を使った方がずっと効率的である。スポットは開始地点を中心にタテヨコ1.5mの範囲を掃除するモードだ。このモードでは掃除終了後、自動的に充電器には戻らない。テーブルの下やフローリングに座ってスナック菓子を食べたなど特定の場所にゴミが落ちているのがハッキリしている場合に使う。念入りモードは1回目にタテに往復したら、2回目はヨコに往復するモードだ。タイマー予約で掃除させるなら、このモードがオススメだ。自動が基本の掃除モード。センサーが障害物を感知して自動運転、同じ場所は2度通らずに掃除終了後は充電器に戻り自動的に充電モードに入る。
このように玄関の段差も感知して落ちることはない。

椅子の間の狭い隙間もくぐり抜けて、テーブルの下もしっかり掃除してくれた。

拙宅の唯一の障害物は左に見えるテーブルの脚で、ここに乗り上げると走行不能で自動停止してしまう。

動画で録画してみると、自動モードだと4分18秒で6畳間の掃除が完了した。6畳と言ってもタンスが2個あるので実質は5畳ぐらいしかない。また、カメラの三脚の足が細すぎて認識されないらしく、何度かぶつかっている。これがなければもう少し掃除時間が短縮されたと思われる。
これだとちょっと心許ないという場合は念入りモードがある。念入りでも9分1秒で掃除は完了した。
ちょっとピンぼけだが、こちらが自動モード+かべぎわでの運転だ。手前にバーチャルガードを使ってカメラの三脚ぶつからないようにしている。このように動きがルンバ的になる。
掃除終了後にゴミはどのぐらい貯まっているのだろうか。ダストボックスを外してみよう。こまかいホコリなどが結構入っている。

中をのぞいてみると髪の毛なども吸い込んでいることが分かる。集塵容積は0.6Lである。

スマーボの賢い機能に、簡単ゴミすてがある。カバーを開けて掃除機で吸い込むだけだ。

ダストボックスを外してみると、完璧にゴミがなくなっていた。

今回の結論だが、掃除ロボットの完成度は予想外と高かった。ただし、事前に掃除ロボットが動きやすい環境を作ってやれることが前提になる。段差が多い家や、カーペットやラグ、クッションなどが多く、床にいろんなものを置いておくのが好きな人には向かない。また、完全にいま使っている掃除機と置きかえることもまだ無理。デイリー機能を使って、毎日外出時に掃除させておき、土日に部屋の隅や気になるところを自分で掃除するとか、そんな使い方になるだろう。発売日は10月1日で予約販売価格は最安で約8万円とライバルのルンバに比べるとかなり高価である。例えば『ルンバ527』なら直販サイトで4万8800円である。この値段の差だけのアドバンテージがスマーボにあるかどうかが問題だ。ルンバは基本的に家具などにぶつかりながら、掃除をするが、スマーボなら基本、ぶつからない。ぶつかってもいいから隅までキレイにしたいなら、かべぎわモードがある。掃除時間も短く、念入りモードを選択すれば同じ場所を2回掃除してくれる。ノイズレベルも抑えられている。これがルンバに対する利点である。
ルンバは10月7日に新型の700シリーズの発売を予定。次回は『ルンバ760』を入手してレポートしてみたいと思う。

WRITER PROFILE
ゴン川野
カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。