2011.10.12
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担当:
ゴン川野
先日、東芝『Smarbo』を借りて俄然、掃除ロボに興味が沸いてきた。こうなると元祖、人工知能搭載でお馴染みのアイロボット社の『ルンバ』を試さないわけにはいかにだろう。特に10月7日に発売された最新のモデル700シリーズには毎秒60回以上も状況を判断しながら行動を選択する高速応答プロセス『iAdapt』を搭載している。これにより、センサーが集めた情報を人工知能『AWARE』が判断、それを受けて瞬時に『ルンバ』が反応するという仕組みになっている。『Smarbo』が同じ所を通らないようにプログラムされているのに対して、『ルンバ』は同じ所を平均4回掃除することで、部屋をむらなくキレイするというコンセプトをかかげている。

それでは掃除機の仕組みはどうなっているのか。まず側面から飛び出して回転するエッジクリーニングブラシが壁際などのゴミを前方にかき出す。

『Smarbo』では左右にこの回転ブラシがあったが、『ルンバ』は右側のみにこの回転ブラシがある。それを有効に使うため『ルンバ』は左回りに掃除するパターンが多い。次にデュアルパワーブラシがゴミを集める。前方がメインブラシで主にカーペットで威力を発揮。奥がフレキシブルブラシでフローリングで効果を発揮する。サスペンションを内蔵しており、接触面の角度を自動的に変えて床面に密着しようとする。このブラシの上方に吸引口がありゴミを吸い取る。今回は吸引システム「エアロバキュ」が採用され、ゴミをダイレクト吸引するという。

オンラインストアでの価格は
●『ルンバ780』7万9800円(シルバー)
●『ルンバ770』6万9800円(ブラック)
●『ルンバ760』6万4800円(ホワイト)
780と770の相違点はタッチパネル搭載かどうか、あとは付属品の違いである。細かく言えばお部屋ナビも780だけの機能。これが760になると新採用されたフワフワしたゴミに反応する光センサーが省略され、ゴミフルサインも出ない。私のオススメはズバリ770である。タッチパネルだけで価格差1万円、これに対して770と760の差は5000円で光センサーが省かれるのはもったいないと思う。全機種に搭載された新機能としては排気をカットするダストカットフィルター。バッテリーが従来に比べて1.5倍長持ち。3機種とも自動充電機能とスケジュール機能の搭載した。すでにちょっと価格の安い並行輸入物が販売されているが、並行物はトラブルが起きたときに日本の代理店でサポートが受けられない。場合によっては購入者が直接アメリカに送料を負担して送る必要がある。このリスクを考えると正規代理店から購入することをオススメする。
いよいよ東芝『Smarbo』と同じ条件でルンバ『780』を動かしてみよう。部屋はフローリングの6畳間で、右側1畳分ぐらいはタンスで占められている。『780』が掃除にかかった時間は16分と『Smarbo』の約2.6倍かかっている。最初に気が付くことは『Smarbo』がセンサーを駆使して壁や家具に極力ぶつからないように掃除をするのに対して『780』は家具を認識してもゆっくり進んで、そっと接触してから掃除を始めることだ。時々、認識できない家具、例えばスピーカーとか三脚の足などには通常の速度でぶつかる。これは別に悪いことではなく、接触して密着しながら掃除するので、壁際や家具のすぐ横もくまなくキレイになる。『Smarbo』は賢すぎてブラシが届くギリギリの位置までしか接近しないし、一度通過したラインには戻ってこないため、どうしてもゴミの取り残しが発生するのだ。これに対して『780』は同じ所を何度もしつこく、ホントに人工知能が入っているのかと思うほど繰り返し掃除するのでゴミの取り残しが少ない。その分、時間はかかるが、実際の使用法として留守や就寝後にタイマーで掃除をさせると思うので、そんなに時間を短縮しなくてもいいはずだ。充電用のホームベース周辺には近づかないため、ホームベースからは赤外線が出てルンバを寄せ付けないようにしているのかもしれない。つまりホームベース周辺は掃除してもらえないのだ。これはちょっと要改善事項である。
こちらが直径約1mの範囲を集中的に掃除するSPOTモードで掃除をさせた動画。1分10秒で掃除を完了する。これを見ると人工知能が働いているだと納得できる。
駆動音に関しては『Smarbo』よりも、かなりうるさい。私の測定結果では駆動時に真上1mでは64〜67dB。横1mでは72dBとなった。もっとも『Smarbo』をターボ運転させると63dBになるのであまり変わらないことになる。『Smarbo』には壁にぶつかりつつ掃除をする壁際モード、さらに同じ場所を二度掃除する念入りモードがあり、かなりルンバを意識して作られていることが分かる。実勢価格では『Smarbo』と『780』は同等なので、どちらを選ぶか悩み所である。
全部の部屋を自動運転で掃除させると『Smarbo』と同じテーブルの足に乗り上げて走行不能になった。

それ以外の場所では元気よく走行したのだが、玄関の段差が認識できないようで、段差から落ちてそのまま土間を掃除して戻ってこられないという事態が発生した。

これはバーチャルウォールを設置すれば解決。電源は単2乾電池2本でAUTOモードで約半年使えるという。

1週間ほどルンバを使って、ダストボックスを外してみると予想外にゴミが貯まっていた。細かいゴミに加えて従来は苦手とされていた髪の毛やフワフワしたホコリも取れているようだ。

黄色く見えるのは排気をキレイにするためのHEPAフィルターで、このように左右2個所にある。

『780』のみタッチ式でタッチエリアはブルーに発光する。

ホームベースは小型化されたそうだが、ACアダプターが別筐体でかなり大きいのが残念だ。

リモコンは細かい表示がないシンプルなものだが、操作はこれで充分出来る。

こうして『780』を1週間使ってみると、掃除ロボの面白みが分かってきた。実用的な使い方は出掛ける直前にCLEANボタンを押して帰宅時にホームベースに戻っているのをみて、よしよしと納得する。動きが面白いので在宅中に動かしたいのだが、いかんせん音がうるさい。ぜひサイレントモードを付けて欲しい。そんなに大きなゴミは落ちていないので静かに走行してフローリングだけキレイになればいいのだ。それから『Smarbo』に付いていたフローリング用のモップが装着できるといいと思った。フレキシブルブラシがあれば大丈夫なのかもしれないが、気分的に欲しい。オプションでワックス入りモップシートがあって、掃除と同時にワックス掛けもしてくれると最高なんだけどなあ〜 あともう少し背が低くなると拙宅のチェストの下に入れるようになるのだが。
『Smarbo』との比較では、音が静かで、家具にぶつからない点は『Smarbo』が優れている。ただし、掃除後の部屋のキレイさでは『780』に軍配が上がる。あとルンバの方が動きが面白い。個人的に言えばデザインはルンバシリーズの方が好感が持てる。カラーも含めて全ての掃除ロボから1台選ぶとすれば『ルンバ770』がベストチョイスだと思う。ルンバは掃除ロボがイロモノから確実に実用品になったことを確信させてくれた。次回はサムスン『VC-RL87V』が気になる。もし入手できればレポートしてみたい。

WRITER PROFILE
ゴン川野
カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。