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帰ってきたレッドデータリスト 新製品

2011.02.27

暴漢御用アイテムも安全志向

担当:
小山 薫堂

御用1号 世の中にはまだまだ知らないことがたくさんある。そもそも時代劇の捕り物でしか見たことのない『さすまた』が、まだこの時代に存在するとは知らなかった。しかも、文部科学省が作った危機管理マニュアルにこの『さすまた』がリストアップされていて、全国の小学校のおよそ8割が『さすまた』を常備しているというのである。
 そんな『さすまた』の最先端商品がこの『御用1号』である。発売したのは、三和コンベアという業務用ベルトコンベアの会社。07年78歳になったその会長が、数年前に暴漢が小学校に侵入して児童を襲ったニュースを見て胸を痛め、この商品を開発したという。
 従来の『さすまた』では、暴漢を押し倒すことしかできないが、この『御用1号』は暴漢を捕獲できるような構造になっている。そのポイントが、先端のU字部分に使われているスプリング鋼。弾力性に富むこの素材を使ったことで、画期的な機能を得ることができた。これは日頃からベルトコンベアの時代劇の定番アイテムがよみがえる。現代の『御用』は暴漢にもケアフル製作に携わり、あらゆるの性質を知り尽くしているからこそ生まれた発想なのだ。
 さらに、これが使用する側だけではなく、使用される側、つまり暴漢の立場からも設計されている点に注目したい。捕獲する際、暴漢を傷つけてしまう恐れがあることから、支柱の先端にきちんとスポンジのクッションが装着されているのである。捕まえられる暴漢のことまで考えたこの優しさが、仇になっているのだろうか......?
 発売1か月時点での売り上げは、まだ十数本。ちなみに年間売り上げ目標は5000本であり、しかも、より小型で携帯に便利な『御用2号』(2万円)の市場投入も始まっている。
 『かごダッシュ』という新しい万引きスタイルに頭を痛めているコンビニ業界がこれを採用してくれれば、目標売り上げは簡単にクリアできるのだが......。

DIME 2008年8号掲載


三和コンベア
『御用1号』は暴漢の胴体をU字部で捕捉するためのもの。スプリング鋼で作られた開口部分は広がりやすいが、ゴム貼りしてある折り返しがあるため、抜け出しにくい。また、柄を伸縮させることができるので、持ち運びにも便利。長さ148~227㎜、重さ1.71㎏。なお、『御用2号』は足を捕捉するためのもの。


販売会社■三和コンベア
商品区分■防犯用品
商品名■『御用1号』
発売日■2007年10月5日
価格■2万5000円

TEL 0794-65-2277
http://www.sanwa-conveyor.co.jp/


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WRITER PROFILE

小山 薫堂

放送作家、脚本家。N35inc主宰。東北芸術大学デザイン工学部企画構想学科長。『世界遺産』『料理の鉄人』などヒット番組を手がけ、映画『おくりびと』では多くの映画賞を受賞。

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