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スマホ! クローズアップ 新製品

2011.09.30

緊急対談! iPhone5はマルチキャリア対応になる?

担当:
DIME編集部

ITジャーナリスト・林 信行氏とケータイ ジャーナリスト・石川 温氏がぶった斬る!


● 「Windows Phone」の登場で市場がシャッフル!?


 僕は「Windows Phone」の登場に少なからず期待しているんですよ。これまでのスマートフォンというと『iPhone』という完成された端末を追いかけすぎたため、「Android」が目指すものがぼやけてしまったと思うんです。  Googleはコンシューマー向けの製品を作る経験がなかったから〝使いやすさ〞の追求はメーカー任せで基準がバラバラ。端末によってボタン配置が変わったりハードウェアによってボタンがあったりなかったりするものもある。その点MicrosoftはIT業界を牽引してきたという経験もあってコンシューマーとも、たくさんのメーカーともつきあいがあり、プラットフォームの築き方をわかっていると思うんですよね。


石川 確かにそうですね。スマートフォンの歴史は、Appleが作ってきたように思うんですが「Android」はどこかで〝後追い〞になってしまった。そんな中、全く新しい切り口で「Windows Phone」は攻めてきたという印象です。

 そもそもスマートフォンは、〝コミュニケーションデバイス〞という部分もあったのに、通話とSNS、メールなどのコミュニケーションツールがすべて分断されてしまった。でも「People Hub」が初めて、人というものを軸に、つなげてくれたような気がします。相手に対して通話だけじゃなく、メールで伝えるか、それとも「Facebook」でメッセージを送るか、もしくはウォールに書き込むかと、いった感じで、コミュニケーションのギアチェンジをしやすくしていることは、ひとつのイノベーションではないでしょうか。

石川 コミュニケーションをまとめるというアプリは、au の「jibe」なんかがありますけど、所詮、アプリなんですよね。OSの段階からコミュニケーションツールがまとまっている手軽さには、可能性を感じます。UIもストレスを感じにくいですし、わかりやすいし、すごくよく考えられている。
 これが、この先の『Windows 8』に継承されていくと考えるとすごく期待できそうですね。

 そうですね、今年1月の『CES』(※1)でスティーブ・バルマーCEOが「Windows Phone」のことに言及した時「Xbox To Go」と言ったんです。それが「Windows To Go」と言ってたら今までと代わり映えしないと思ったけど、『Xbox』のコンテンツを外に持ち歩ける、と強調したところに新しい可能性を感じたんですよね。独自のUIを採用したことで、スマートフォンって必ずしもこうじゃなくていいと見せてくれたと思うし、僕はスマートフォン市場が一度シャッフルされるんじゃないかと思うんです。

● Microsoftの課題は日本でのコンテンツビジネス


石川 それにしても登場するタイミングはちょっと遅かったですよね。アメリカだったら「XboxLIVE」や「Zune」の連携もあるので盛り上がっていますけど、日本ではそこがネックになってしまうと、ちょっともったいないなと。

 そうですね、Microsoftはどれだけ日本で「Xbox LIVE」などのコンテンツビジネスを普及させられるのか、そこがカギになると思うんです。結局、『iPhone』を見ても通信以外の定番の使い方はアプリの4割を占めるゲームとコンテンツ視聴。「iOS 5 」になると『iPad』とテレビの連携が強まるなど、『Wii U』のようなゲーム専用機をくってしまう可能性がありますがXbox to goを標榜する「Windows Phone」への期待は大きい。ここにMicrosoftが「Zune」ベースの音楽・映像配信サービスを日本で始められれば、「iTunes」連携の『iPhone』『iPad』と共にゲーム機だけでなく「Android」も脅かす存在になるかもしれません。

石川 あと「Skype」の動きにも注目したいですね。「Skype」はマルチデバイス展開なので、どんなにAppleが「FaceTime」をがんばっても「iOS」と「Mac OS XLion」上でしか対応しないのであれば、限界があると思いますし。

 僕は「Windows Phone」のアプリにも期待をしています。今まで『iPhone』アプリで儲かったということで「Android」アプリの開発にたくさん、人が流れました。でもあまりに〝自由〞すぎることが災いしユーザーにもアピールしにくく、全然パッとしたものが出てこない。『iPhone』アプリ長者はたくさんいたけど「Android」アプリ長者はほとんど出ていません。つまり、ある程度コントロールされたマーケットのほうがユーザーにアピールしやすい、と少しずつ開発者も気づき始めたところで今回「Windows Phone」が登場した。

石川 どう普及させるかはNokia次第なのかなと思っています。いろんなメーカーの担当者に「Windows Phone」を投入するか聞くんですが、どこもまあ答えは渋いですね。堂々と「やりますよ!」っていうところはない。だからNokiaがどれだけMicrosoftと密なタッグを組み、安い端末を作れるかがポイントになると思います。

● 複数台持てるプランを打ち出せば市場は活性化!?


 話は変わりますが、今後、携帯電話会社には1契約で複数機種を持てるようなプランを作ってほしいですね。今年2月の『MWC』(※2)で発表された『Xperia PLAY』なんかはゲーム好きにはたまらない製品かもしれません。でもすでにスマホを持っている人は2台持ちすべきか迷うはず。2年縛りもありますから複数契約するのは、よほどマニアックな人以外ありえない行為です。専門機能に特化した機種を今後どんどん投入するのであれば、プランや契約条件を見直さないと市場は発展しないと思います。

石川 確かに今、スマートフォンは急速に進化を遂げて、機種も急増しているのに、2年も待たなければならないというのは厳しい。
 ちなみに僕の場合、ウィルコムの『HYBRID W-ZERO3』の2年縛りがまだ続いてますからね(笑)。

 逆に、気軽に複数台持てるような契約があれば今後、「Android」搭載デジカメとか、「Android」搭載レコーダーとかそういう専門的な機能を持ったものがたくさん登場する可能性が広がると思います。

石川 まあ「Android」はまだまだ進化すると言ってますから、当分は止まらないでしょうね(笑)。

● 今後のスマートフォン競争、auの動きに注目


 秋以降のスマートフォン競争のキーになるのは、ゲームとソーシャルメディアでしょう。大きく分けると「Windows Phone」は「Facebook」、「Android」は「Google+」、「iOS」は「Twitter」という構図になっていて、どのSNSが強いかがここしばらくはポイントになるような気がします。

石川 あとは、まもなく発表と噂される『iPhone 5』の動きも気になります。いよいよCDMAに対応するのではないかとの噂が出ている中で、auがどう出るのかってところが一番の関心事。
 先日のドコモの株主総会の様子を見ると『iPhone』から若干引き気味な印象だったけど、auはあれだけ派手に「Android au」と打ち出していたにもかかわらず「WindowsPhone」を投入するぐらい全方位なので「うちも出しちゃいます!」なんてことも十分ありえるでしょう。しかも『iPhone 5』発表のタイミングで名乗りを上げる可能性も考えられます。それでauから発売されて売れちゃったりすると、ドコモは「ヤバい!」と思って追いかける会社なので、一気に3キャリア体制になるかもしれません。

 『iPhone 5』は「A5」(CPU)がデュアルコアになって速くなるのは確実だと思いますが、あとはアンテナゲートの問題がクリアになるとか。Wi-Fiも802.11nの5G㎐帯もサポートしてくるんじゃないでしょうか。すでに『iPad』はサポートしているし『AirMacExpress』もサポートしてるので、そうなると、Wi-Fiの本当のパフォーマンスが出せるようになるし、当然、新サービスの「iCloud」にも関係してくるでしょう。そのあたりのパフォーマンスアップは期待していいと思います。
 あと個人的にはそろそろフラッシュメモリーも『iPod touch』と同じような容量を積んでほしいですね。

石川 この秋は、スマートフォンからますます目が離せなくなりそうですね。


※1 『CES』(Consumer Electronics Show)...
        毎年1月に米・ラスベガスで開催される世界最大規模の家電の国際見本市。

※2 『MWC』(Mobile World Congress)...
        毎年2月にスペイン・バルセロナで開催される世界最大規模の通信機器の国際見本市。


林 信行氏
林 信行 氏

技術面から経営方針、市場の動向まで独自の視点でIT業界の最前線を取材してきたスペシャリスト。著書は『アップルvsグーグル』(ソフトバンク新書)、『iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?』(アスペクト)など。

石川 温氏

石川 温 氏

トレンド誌の編集記者を経て、2003年にフリーとして独立。通信業界を中心に取材活動を続けるケータイジャーナリストとなる。『Web2.0時代のケータイ戦争』(角川書店)など関連書籍も多数執筆。

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DIME編集部

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